CHANCE 2 (後編) =Turbulence=





「アボジ(親父)!」



『ヨォ!

ウリ アドゥリエヨ!(我が息子よ!)』



「我が息子よ!って何でここに来たんですか?」



『息子に会いに来るのに理由がいるのかい!?』



「そうじゃないですよ。

今日は午後から重役会が有るのに、会長のアボジ(親父)が居ないでどうするんですか!?」



『重役会なら、前倒しで昨日済ませたよ。』



「へ? そうなんですか!

取り敢えず、玄関先じゃあ何ですから中にお入りください。」



『お邪魔するよ。

ソナちゃんが来てるのかい!?』



「はい、叔母様も一緒に来られてます。」



『そうみたいだな。

靴が有るからわかったよ。』



「ソナ、叔母様、アボジ(親父)が来ました。」



『どうも林氏、オレガンマ ニムミダ。(お久しぶりです。)』



『アンニョハセヨ!(こんにちは!)』



「それでアボジ(親父)、本当は何故急に来たんですか?」



『実はな、昨日の重役会の事を話そうと思ってな!』



「重役会ですか。

何か、問題でも起きたんですか?」



『本社内で、専務派と社長派に割れててなぁ、社長派はお前に筆頭理事になってもらって本社勤務を推しているんだ!

でも専務派は、もっと経験を積んでからでも遅くない。今は現状維持で良いじゃないか!って揉めてるわけ。』



「専務派の意見が正しいでしょう!

俺が、この会社にまだ全然貢献も出来てないのに、筆頭理事なんて社長派はごり押しして何か目論んでる訳ですか!?」



『本社社長の俺が、一年の半分を日本で過ごしているから、本部長が苦労してるのは分かるけど、副社長も居るわけだし、目論んでると言うよりは、誰かに本社の土台をしっかり持っていて欲しいんじゃないかな?』



「それなら、こっちを俺に任せてください。

本社の方をアボジ(親父)が見ていたら良いじゃないですか。

そして、何か有ればその時は連絡を取り合って話し合いを持って遣っていけば収まるでしょう。」



『そんなことになったら、ヨンミちゃんに会えないじゃないか!』



ソナのお袋さんの前で、よくもまぁ恥ずかしくも無くヨンミちゃんヨンミちゃんって言えるもんだなぁ。



こっちが恥ずかしくなるじゃないですかアボジ(親父)。



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