CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
 



アボジ(親父)が教えてくれたんだけど、


《この指輪に付いている石は、隕石だ。

どういう訳だか判らないが、これを身に付けていると力を封印出来るんだ。

力を使う時には、この指輪を外したら良い。》


って言う訳だ。


実際、この指輪を付けていると、ビジョンは見えなかった。


この分厚い指輪には、きっと凄いパワーが有るのかも!


しかし、この指輪に触れてみても、指輪に有るであろう記憶を読み取る事は出来なかった。


成田空港からタクシーに乗って、とりあえず、新星MUSICの日本支社へ向かった。


車内からソナに電話をして、今日本に無事に着いた報告をして今夜一緒に食事をする約束をして電話を切った。


俺が韓国に居る間、他のメンバー達は先月出したアルバムの宣伝活動やサイン会、歌番組とレギュラーのラジオ番組で頑張ってくれていた。


一度だけ演奏しなければいけない番組が有って、その時には新星MUSIC本社スタジオから2元中継で行なった。


ラジオ番組の方では国際電話での参加となってしまった。


俺が韓国でプロデュースする話は、まだ秘密なので、レコーディングのヘルプとして韓国に来ている事になっていたそうだ。


新星MUSICに着いて、李支社長に挨拶してから、スケジュール表を貰った。


今日は7月10日の土曜日で、メンバー達はニチマルレコードの渋谷店でサイン会を終えて、現在こっちに向かっているそうだ。


この後はオフになっていた。


30分ほどで皆が帰って来た。


「皆、ご苦労さまでした。

今、韓国から帰って来たとこなんだ。」


『お帰りチャンス!

お土産は~!?』


「ちゃんと全員に買って来たぜ。」


『向こうのレコーディングはどうだった?

6日間もって結構ハードだったのかい?』


「着いた日と帰る日で2日だろう!?

中4日の内、レコーディングを2日、後の2日は土産買って、旨いもん食って、テレビ局のスタジオで音楽番組の収録を見学して過ごしてた。」


『じゃあ、もっと早く帰って来れたんじゃん!』


「すまんすまん。

つい楽しくて長居して仕舞った。」


『これからどうすんの~!?』


「とりあえず、夜はソナとディナーだから、これから赤羽行ってソナの両親に会って挨拶して来ようかと思ってる。

皆は!?」






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