CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
《乗機はまもなく済州国際空港に到着します。
着席してシートベルトを締め、そのまま暫くお待ちください。》
『オッパ、もうすぐ済州島だね!
外はヤッパリ真っ暗だね。
それにしても、いつの間にか寝ちゃってたわ!』
「ふぁ~ぁ~ぁ、アクビが止まんねぇや!
昨日、遅くまで騒いでたもんなぁ。」
その後10分程して、無事に済州島へ到着した。
荷物を受け取り到着口に出ると、そこにはよく知る顔が!
『チャンス坊ちゃんお久し振りです。
御迎えにあがりました。』
「萬秀(マンス)オジサン、お久し振りです。
ワザワザ迎えに来なくても良かったのに!」
『ハハハ!
大丈夫ですよチャンス坊ちゃん、まだまだ私も若いんですから動かないと!
そちらの方が、奥様になられましたソナ様で御座いますね。
初めまして、文 萬秀(ムン・マンス)と申します。
縁あって、今は別荘の管理人を遣っております。』
「初めまして、林 善雅(イム・ソナ)と申します。
今回は、宜しくお願いします。」
『ほ~う!
ハングル語が達者ですなぁ。
発音も素晴らしい!
表に車を待たせてますので。
チャンス坊っちゃん・ソナ様、それでは参りましょうか。』
空港パーキングかと思ったら表に車を待たせてますのでって言ったよなぁ!
大丈夫なのか!?
移動させられてたりして!
「あれ!?
あの子って、もしかして海珠(ヘジュ)ちゃん?」
『そうですチャンス坊っちゃん。
今年釜山(プサン)農業高校を卒業して、4月からこっちに住んで畑を遣ってるんですよ。』
「ご両親は何て?」
『お祖父ちゃんのところに行きたいなら、勝手にどうぞ!って言われたそうですよ。』
「オッパ、あの可愛い娘って、萬秀(マンス)さんのお孫さん?」
「そうだよ。
釜山にご両親と一緒に生活してたんだけど、高校を卒業して、こっちで畑仕事をしているんだって。」
『わぁ、素敵な方!
モデルさんみたい!
初めまして、文 海珠(ムン・ヘジュ)で~す。
チャンスオッパ、お久し振りで~す。
ご結婚されたんですねぇ。』
「ヘジュちゃん、初めまして、イム・ソナって言います。
宜しくね。」
『わぁ、ヤッパ本物だ~っ!
あの新星グループのモデル遣ってるSONAさんですよね?』
「そうだよ。」
『ヤッパカッコイイわぁ♪
こちらこそ、宜しくお願いします。』
「お祖父ちゃん、それじゃあ出発しますよ。
チャンスオッパ、ソナオンニ、どうぞお乗りください。」
と、おどけて後部ドアを開けて手招きをしている。
実は、この海珠(ヘジュ)ちゃんの本当のご両親は亡くなっているのだ。
それを知っているのは、今のご両親と萬秀(マンス)さん、後は俺と俺のアボジ(親父)だけである。
だから、ヘジュちゃんはその事を知らず、今のご両親が本当の両親だと信じているのだ。