CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
6. Get a Chance
『恒寿(ハンス)、パパ起こしてきて!
寿雅(スア)、雅怡(アイ)の着替えを手伝ってあげて!
雅怡(アイ)ちゃん、お姉ちゃんの言うことちゃんと聞いて、早く着替えなさい。』
「オンマ(ママ)、アッパ(パパ)もう起きて準備終わってたよ。」
『あらそう!
だったら、こっち来て、皆の食器をテーブルに並べて、ご飯よそっていってちょうだい。』
「は~い!」
『寿雅(スア)ちゃんと雅怡(アイ)ちゃん、遊んでないで早く準備しなさい。
出来たらこっちに座って!
お祖父様とお祖母様に会いに行くんだからね!
さっさとご飯済ませましょ。
あら、あなた、お早うございます。』
「ソナ、すっかりお母さんだな!
ところで、ハラボジ(お祖父様)から連絡あった!?」
『はい、有りましたよ。
お祖父様もお義父様もお義母様も、早く会いたいから、今朝は朝6時に目が覚めたんだって。』
「先週も実家に帰ったばかりなのになぁ~。
それにしても、まさかハラボジ(お祖父様)が占いの館を閉めて、日本で生活をするとはなぁ。
ひ孫の顔が見たいからって、相変わらず元気だし。
79才には見えないもんなぁ。
さてと、朝御飯にするか。
いただきます。
恒寿(ハンス)、小学校は楽しいか?」
『アッパ(パパ)、最近の小学生って、変な奴がイッパイ居るんだよ。』
「変な奴が!?」
『うん。
僕にさ、いきなりお嫁さんにしてくれとか言ってきたり、ベタベタくっついてきたり、まだ小学三年生なのに香水付けて学校に来てるんだから!
何考えてるのか分かんないや。
学校は、勉強するところだって知ってるはずなのになぁ……。』
「恒寿(ハンス)は好きな女の子は居ないのか!?
勿論、オンマ(ママ)やトンセン(妹)以外でな!」
『学校にはいないよアッパ(パパ)。
みんな、ガキッぽいし、趣味が合わないもん。』
「まぁ、その内、大切に思える娘が現れるから、今は恒寿(ハンス)の遣りたいことに全力で頑張りなさい。」
『分かりましたアッパ(パパ)。
寿雅(スア)、早く食べな!
雅怡(アイ)は俺が食べさせるから。』
「は~い!」
『寿雅(スア)ちゃん、もう小学一年生なんだから、好き嫌い言わないで、そのトマトも食べなさいよ。』
「げ~! トマト嫌いなんだもん。」
『オンニ(お姉ちゃん)、ダメダメでちゅね!
雅怡(アイ)は、トマト大ちゅきよ!』
「雅怡(アイ)ちゃんは、4才なのにえらいねぇ~♪
でもね、このタマネギも食べなさいね。」
『げ~!』
「お姉ちゃんの真似しないの!」
『雅怡(アイ)、タマネギきらいなんだもん。
なんか、おいちくないもん。』
「困ったもんだなぁ。」
『アッパ(パパ)、妹達は甘やかし過ぎるから好き嫌い言うんですよ。
特にアッパ(パパ)は、娘に甘過ぎです。
息子の僕にはメチャクチャ厳しいのに!
僕がグレたらどうするんですか!?』
「そうか、お父さんは恒寿(ハンス)に厳しすぎたか!?
分かった。
大事な息子に、グレられても困るから、今日からお父さんは恒寿(ハンス)にも優しくするよ。
絶対に怒らない事にしたから。
それで良いか?」
『それは寂しすぎます。
怒られない小学生が、将来どうなるか考えたら怖いです。』
「ハンスは小学生んだから、もっと子供っぽい話し方をしてほしいよなぁ。
なんか、大人と会話してるみたいだよ。」
『そうですか。
これが当たり前の話し方なんで気にしないで下さいアッパ(パパ)。』
「ソナ、俺の子育て間違ってないよなぁ!?」
終始、ニコニコ笑っているソナだった。