CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
 



「ハイ。」


『高山常務、関東TVの堺プロデューサーからお電話が入ってます。』


「繋いで下さい。」


『それでは、2番でお話下さい。』


ピッ!


「もしもし、お待たせしました。

XYZのチャンスです。

どうされたんですか堺P。」


『お早うございますチャンスさん!

日曜日の朝から、わざわざお電話してすみません。

実は、昨日のラジオ番組聴いたもんで、早速新星MUSICのホームページを見させてもらいました。

実は、竹中早紀さんを再現VTRで起用したいって思いまして。』


「再現VTRですか?」


『ハイ。

初回は30分拡大で放送するんですが、そこでやる特集は、先日もお話した通り、谷口桃子さんのサクセスストーリーなんですが、竹中早紀さんに、その谷口桃子さんを演じて貰いたいのです。』


「はぁ…!

ひょっとして、VTRの中で、歌を歌うんですよね!?」


『勿論、出来れば彼女に歌って貰いたいのですが。』


「ダメダメダメ!!!

彼女に歌は無理です。

演技力は有りますが、歌唱力は幼稚園児以下ですから!!」


『ヘッ?

そうなんですか!?』


「私も驚いています。

本人は、自分がオンチだと言う事すら気付いていないから、余計に驚きました。」


『…………。』


「ドラマや映画やCMなら良いですよ。

いつでも声かけて下さい。」


『分かりました。

それにしても残念だなぁ。

今度、一緒にカラオケに行って聴かせて頂きたいです。

ボイストレーナーの専門家に診てもらって、それでもダメなら諦めますから。』


「それでは、今日の昼から如何ですか!?

私も時間空いているし、彼女も今は仕事が入っていませんので、毎日稽古ばかりだから息抜きに連れて行きますよ。」


『ホントかい?

じゃあ、トレーナーや音楽関係の人と3人で行きますよ。

場所は何処にしますか!?』


「それでは、渋谷に在る、うちの経営するカラオケボックスはどうですか!?

名前は新星GTSって言うのですが、ご存知ですか!?」


『あぁ分かります。』


「それでは、そこに1時に来ていただければ分かるようにしときますので。」


『それじゃあ後程。』


と言う訳で、早速浅田マネージャーに連絡して、常務室に竹中早紀と一緒に来て貰った。







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