CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
 



『皆、久しぶりだなぁ。

なんでって、たまたま関東TVの堺ちゃんと、お茶でもしようと思って、局に行ったら、これからチャンス君達とカラオケ行くんだって言うので付いて来ちゃいました。

今朝ロスから帰って来たんだけど、時差ボケでなぁ。

何か、寝過ぎて顔が浮腫んでしまったぜ。

って、可愛い子ちゃんがいるねぇ。

君、名前は?』


「はじめましてSeijiさん!

今度、新星MUSICに移籍して来た竹中早紀と言います。

宜しくお願いします。」


『こちらこそヨロシク!』


「Seijiさん!

去年のクリスマスソング、有り難うございました。

僕も、Seijiさんみたいな曲を作れるように頑張ります。」


『相変わらずKYU君は堅いね!

もっとリラックスして!

音楽をやり続けるなら、もっと柔軟性のある人間になりなさ~い!』


『ハイ。

頑張ります。』


「Seijiさんが、柔らかすぎなのら~!」


『…TVの時と…、全然違う…なぁ!』


そんなこんなで、話に花が咲き乱れまくりなので、ここで一度締め直して、本題に入っていった。


「とりあえず、Seijiさん!それから、アリサさん!

彼女の歌を聴いてみて下さい。」


『分かった。』


「早紀ちゃん、何か得意な歌を歌ってくれるかい!?」


『じゃあ、私の一番好きな、マイコの曲で《ブルーベリー》を歌いま~す。』


  な~!  の~!
あ~! た~!


…………まぁ、上がったり下がったり…、忙しい事で…!


XYZのメンバーは、皆さん顔面蒼白じゃないですか…………。


Seijiさん!


キョドリ過ぎ。


そんなに驚かないでも、良いじゃないですか…!


さすが浅田マネージャー、竹中早紀の歌を聴いても平気な顔で手拍子を取ってる。


ボイストレーナーのアリサさんは、ジ~ッと竹中早紀の声や歌い方を観察している。


「早紀ちゃん、貴方って自分が歌っている時、音が外れているの知っている!?」


『エッ!?

そうなんですか!?

全然知らなかったです。』


「あら、そうなの。

じゃあ、この紙袋を頭から被って、さっきの曲をもう一度歌ってごらんなさい。」


『はぁ…! 分かりました。』


「この曲のオリジナルは聴いた事有るわよね!?」


『勿論です。』





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