CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
「じゃあ、大丈夫。
思いっきり歌ってご覧なさい。」
『ハイ。』
あなたの~♪
やさしさが~♪
何時も~♪
心地よくて~♪
私の~♪
想いは~♪
~♪~♪~♪~♪
「どうですか皆さん。
ちょっと良くなったかしら!?」
『さっきと全然違うのら~!』
「彼女はね、演奏しか聴いていないから、自分の声が外れても気が付いていないのよ。
ノリノリになって歌えば歌う程、音が外れて仕舞うんだもん。
でも、ちょっとトレーニングすれば、とっても良い声してるから、素敵な歌を歌える様になるわよ。」
『あの~、私ってオンチだったんでしょうか!?』
「オンチって言うより、自分の歌声が聴こえていないから、音が外れても気が付かないのよ。
もっと大きな声で、はっきりと発音して、自分の声を聴きながら歌えば、オンチじゃ無くなるわよ。」
『そうなんですか!
頑張ります。
常務、ボイストレーニング受けさせて下さい。』
「良いよ。
しっかり頑張りなさい。」
『ハイ。』
「アリサさん!
彼女に指導して頂けますか!?」
『勿論ですわよ。
こんなに可愛い子が生徒さんなら、喜んで!』
「何か、違う意味に聞こえるのら~!」
『心配無いわよ。
私は、いたってそっちの方はノーマルですよ。』
「それでは、皆さん、暫く楽しく歌いましょうよ!」
『じゃあ、俺にも1曲歌わせて下さい。』
と言って、桧山マネージャーがリモコンを操作し始めた。
モニターに映し出されたのは、キッスの
《デトロイト・ロック・シティ》
何か懐かしい……。
って言うより、桧山マネージャーが、この曲を選曲するのに驚いた。
Seijiさんは、自分の持ち歌を歌ってくれた。
その後、浅田マネージャーがパヒュームの曲を歌ったり、テジュンがグリーンディを歌ったり、堺Pがズンドコ節を歌って大ウケしたりと、楽しく過ごして解散した。
竹中早紀の再現VTRでの歌は、ボイトレ次第って事で一時保留になった。
一旦会社に戻って、俺達XYZのメンバーは、KYUと桧山マネージャーと共に、次の仕事先に向かった。
仕事が終わってから、全員で俺の経営する韓国創作料理店のSpot Light-1号店でショーを観ながら食事をして帰った。
何か疲れたなぁ