CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
しばらくTVを観てから、準備して事務所へ向かった。
すでに李支社長も白川GMも出社していた。
「お早うございます。」
『チャンス君、早かったな!
記者会見まで、まだ2時間程有るよ!
ヤッパリ、あの日の女性は妹のソラちゃんって事で良いんだな!?』
「はい!
嘘をつきとうそうと思います。
でも、いずれバレるでしょうね!」
『そうだな!
ソナちゃんにタブロイド紙の餌食には成って貰いたく無ければ、チャンス君も気を付ける事だな!』
「分かりました。」
そして始まった記者会見。
俺は封印の指輪を外して、マイクの前に座っている。
『チャンスさん、新恋人発覚という事で宜しいのですね?』
『いつからの交際なんですか!?』
『お相手の女性は、まだ高校生だと聞いていますが…』
などと矢継ぎ早に質問が飛んで来る。
俺は、真っ直ぐ前を見て、頭の中で
(今から俺が喋ることが真実だ!
それを記事に書け!)
と会見場に居る全員の頭の中に話しかけた。
そうしてから、おもむろに
「本日は、わざわざお越し頂きありがとうございます。
先日スクープ報道が有りましたが、残念ながら一緒に居たのは私の妹です。
私たち兄妹は、とっても仲が良いので勘違いされたのだと思います。
皆さんには、特ダネを提供出来ませんで、本当にすみませんです。
その代わり、別のネタを提供しましょう!
実は、今度わたしのプロデュースで韓国から5人組みのレディースバンドを日本でデビューさせます。
今は、まだバンド名も決まっていません。
全て0からのプロデュースです!
編成は、XYZと同じです。
全員素敵な女性だし、実力もかなりのものですよ!
一年以内に日本で大ヒットを出して、その後韓国で再デビューさせます。」