CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
『皆さん、私は、新星MUSIC日本支社長の李と申します。
皆さんもご存知の通り、チャンス君は新星MUSICの跡取りでもある訳です。
今回のプロデュースが成功した時には、彼は韓国本社からも認められることでしょう。
このプロジェクトに掛けている彼には、なかなか自由な時間も無いわけです!
今は、恋愛よりも音楽と会社経営の勉強で大変なのです。
皆さん!
もし、彼が結婚なんて話が持ち上がりましたら、その時は、こちらから御連絡させて頂きます。
今日は、本当にありがとうございました。』
あっという間に終了した記者会見、俺の力のおかげで、翌日の一面は
新星MUSIC次期社長
XYZのギタリスト チャンスさん
新プロジェクトスタート
と題して、
韓国からのレディースバンドをプロデュース!
という文字が大きく書かれてあった。
熱愛スクープ報道の件は誤報で、実は兄妹でお出掛けしていただけと、申し訳け程度に書かれてあった。
宣伝費が浮いたよ!
新聞各紙は勿論の事、芸能週刊誌やテレビなどでも話題となった。
というのも、昨日の記者会見でアボジから渡されていたレディースバンドの写真やプロフィールを、配ったからである。
彼女達は、来週アボジ(親父)と一緒に日本に遣って来る。
その事も話したので、多分成田空港は凄い事に成るだろうなぁ!
こんだけ粒揃いで、実力もあるとなれば、芸能界が飛び付くのも無理はない。
実際、初めて写真を見た時には、俺も驚いたんだから!
いつの間にか、俺の熱愛報道も無くなり、週末はソナと俺の部屋でマッタリと出来た。
この不思議な力、半端ない!
妹だと、一切疑わなかったんだから。
『オッパ、上手く誤魔化せたね!』
「本当は、俺の好きな人はソナなんだぁって、皆に言いたいんだよなぁ!
長い間、隠して付き合わないといけなくてゴメンな!」