CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
第4章 Produce
成田空港の到着ゲートの周りは、遣って来た報道陣でごった返していた。
前宣伝のおかげで、注目度は上がったが、これじゃ出迎えもままならない。
俺達XYZは、その報道陣を掻き分けながら、次々と質問を受けた。
それに答えながら前に進んだ。
20分後、アボジ(親父)が彼女達と一緒に現れた。
と、そのとたん無数のストロボがたかれ、マイクが伸びてきた。
『今回日本でデビューする彼女達は、どんなジャンルのバンドなんですか?』
『XYZのギタリストのチャンスさんがプロデュースすると聞いていますが、新星MUSICの次期社長に成る時期が早まったのですか!?』
『彼女達とXYZで合同ライブとかも予定しているのですか!?』
『一年以内にチャートに登らなかったら、チャンスさんの今後には、どのような影響が有るんですか!?』
『彼女達のバンド名は、もう決まっているのでしょうか!?』
『彼女達、カメラに向かって何か一言下さい!』
兎に角凄い勢いだ!
駐車場まで5分の距離が30分も掛かってしまった。
アボジ(親父)は、俺達の車に乗って、彼女達は桧山マネージャーの運転する車に乗って、一路新星MUSIC日本支社へ!
若い彼女達は元気いっぱいだが、アボジ(親父)はちょっとお疲れ気味である。
社長室に全員集合して、ミーティングが始まった。
『空港の取材陣凄かったなぁ!
チャンス、前宣伝はまずまずってところだな!
支社長から聞いたよ!
熱愛報道を逆手に取ったんだってな。
でも、本当の勝負はこれからだからな!
1年以内に勝負をかけろよ!
ところで、この子達のグループ名はもう決まったのか?』
「ハイ!
真剣に考えました。
彼女達のグループ名は
ミラクルレディー
奇跡の淑女です。
表記としては、
美racle/Lady
彼女達の様な、素晴らしい才能を持った5人が同じ世代に、そして同じ国、同じ場所に、音楽を遣るために集まった奇跡、その上美貌良し、スタイル良し、性格良しときたら、これはまさにミラクルじゃないですか?」