CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
俺達は、彼女達を連れて本郷スタジオに向かった。
本堂さんに、
「おはようございます、本堂さん。
2部屋お願いします。」
『彼女達かい!?
今度チャンスがプロデュースするレディースバンドって!』
「ハイ、そうです。
紹介します。
美racle/Ladyです。
皆、彼が君達のCDをレコーディングしてくれるミスター本堂氏だよ。」
『えぇ~町のスタジオのおじさんがレコーディングするんですか?』
「ハハハ、驚いたかい!?
本堂氏は、普段はここでスタジオのおじさんしてるけど、本業はミキサーって言うか、音響全般のプロフェッショナルなんだよ。
それも、日本でもトップクラスのね!」
『本当ですか!?
何か信じられないです。』
「だろうな!
韓国の李龍哲(イ・ヨンチョル)氏は知っているかい!?」
『ハイ、勿論知っています。
韓国ではトップクラスの音楽プロデューサーですから!』
「彼の師匠だよ!」
『ウッソー!
なんで、こんな町スタジオで働いているんですか?
ミスター李氏は、本社スタジオでいつもふんぞり返っていますよ!』
「だよな!
本堂氏は、音楽が好きだから、いつもここで若者達に指導したり、相談に乗ってあげたりしてるんだ。
でも、一旦レコーディングが始まったら、鬼に成るから君達も覚悟して置くように。」
『そうですか!?
優しそうなおじ様に見えますよ!』
「本当に鬼!
鬼なんだから!」
桧山マネージャーや安田マネージャー、それにKYUも苦笑いしていた。
『チャンス、一体彼女達何を驚いているんだい?』
「本堂さんの素晴らしさを教えていたんですよ。」
『また俺の悪口でも言ってたんだろ!?』
「ち…違い…ますよ!」
『何噛んでるんだよ!
図星だな!
こりゃXYZのレコーディングが楽しみだ!』
「ちょっと本堂さん!
レコーディングに私情は抜きですよ!」
『さぁな!
桧山君よ!
チャンスはハングル語で何を話してたんだい?』