CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
いよいよレコーディングが開始だ!
「これから1年間、2ヶ月毎と言っていたが90日毎に2曲、新曲を出して行く事に予定を変更です。
それぞれの曲は日本語バージョンとハングル語バージョンの全4曲のマキシシングルとして、1枚千円の破格値で発売します。
毎回のレコーディング風景や、普段の表情、レッスン風景や取材風景、食事中からオフの表情まで、常にビデオカメラを回し、8ヵ月後には彼女達の曲をBGMにしたDVDも発売予定していきますから。
まずは、今から演奏するBye-Bye Boy!、レコーディングと同時にビデオカメラもスタートさせますが、御了承下さい。
それでは、安田マネージャー、スタジオ内に入って、こちらからの指摘や指示を彼女達に通訳お願いしますね!」
『分かりました。』
「それじゃあ最初は日本語バージョンから宜しく。」
いきなり本堂さんのストップが入る。
イントロの頭の音がきちんと揃って無いと言う。
彼女達は、否定的な顔をしているが、俺が聴いていても、明らかに微妙なズレが有った。
安田マネージャーは、我の強い彼女達にハングル語で説明しているが納得していない様子だ。
『兎に角、もう一度!』
本堂さんの声で、もう一度最初から演奏だ。
3小節演奏したところで、またストップが入った。
今度は俺がブース内のマイクを通しハングル語で
「君達は、納得していないみたいだけど、明らかにバランスが取れてないよ!
人の音をちゃんと聴いて、もう一度最初から!」
『ちゃんと演奏出来ているのにぃ~!』
「ちゃんと出来ていたら、ストップなんてかからないよ!
頭から最後までノンミスで演奏出来るまで、何回でも取り直しだから!
まずは、君達が1つになって、この曲を奏でたいと思わなきゃ、いつまで経ってもレコーディングは終了しないよ!」
『分かりました……… 』
「OK!
じゃあもう一度頭から!」
『1.2.1234~♪』
その後も、幾度となくやり直し、本堂さんの激がとびながらレコーディングは、テイク48で漸くOKが出た。