CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
2. Trouble
彼女達のデビューシングルを発売して2週間後、俺達のシングルもアンサーソングとして、店頭に並んだ。
俺達も、テレビ出演の度にアンサーソングを話題にしていたので、かなりの売り上げだ!
翌週のチャート発表では、美racle/Ladyを抜いて1位に輝いた。
機嫌を良くしたアボジ(親父)は、美racle/LadyとKYU.with XYZの10人に特別ボーナスとして新しい移動用のワンボックスカーをそれぞれ買ってくれた。
最新式でゆったりとした乗り心地、8人乗りなのに10人くらいは軽く乗れそうな、かなり高そうな車だ。
後で知ったのだが、車内でもゆったりと取材が出来るからと、この車にしたそうである。
それじゃあ移動中にのんびり出来ないじゃないか!
喜んで損した気分だよ!
それでも,毎日の移動は確かに居心地が良い。
今日もこれから、音楽番組で演奏するために、東京テレビに向かっている。
美racle/Ladyも同じ番組に出演するので、もう1台のワンボックスカーは安田マネージャーが運転している。
今日これからが、最悪な1日の始まりとも知らずに、俺達も彼女達も、今は車内で他愛も無い話しをしていたのだ。
~♪~♪~♪~♪~♪~♪~
東京テレビに着いた。
地下にあるタレントクロークに入り、マネージャーと今日の番組の主旨を話していると、番組プロデューサーの進藤さんがADと共に遣ってきた。
「今日はお世話に成ります。
XYZです。」
『皆さんお早うございます。
番組を担当する進藤プロデューサーです。
今回は、12組のバンドによる対バン形式でやって貰うのですが、その後でメンバーをシャッフルして違うバンドのメンバーとも演奏して貰いたいのです。』
「それぞれのバンドが持ち歌を演奏した後にメンバーを入れ替えてやるのはわかりました。
で、演奏する曲は?」
『皆様には1時間の猶予の中で作詞作曲をして頂きたいのです。』
「1時間でですか!?
かなり短いですね!
ジャンルは?」
『それは自由になさって結構です。
本日は年末特番として150分の放送枠で12月15日のゴールデンタイムにオンエアされます。
番組タイトルは
フリーミュージック
どこまでやれるシャッフルバンド12
って言います。
参加バンドは
XYZ・美racle/Lady
...』