CHANCE 2 (後編) =Turbulence=



「16時入場開始で、17時開演です。

時間は休憩を挟んで22時迄の5時間と言う長丁場です。

今回、韓国本社から送り込まれるkAYAの日本デビューがメインだと社長は言ってたけど、こっちにしてみれば美racle/Ladyの実力を知って貰う絶好のチャンスだとも考えて居るから。

その為にはXYZ の皆にも是非とも協力して貰いたいのです。

このプロデュースの成功の足掛かりにもしたいし、それによって俺達XYZの更なるスキルアップと、新境地開拓のきっかけにもなって欲しいんです。」


『チャンス、それは勿論問題無いんだけど、協力して欲しいって…、一体何をすれば良いんだ!?』


「まずはKYU、踊って欲しい。」


『エエェ~!?

ぼ…僕、ぉ‥踊れませんです。』


「そこを何とか頑張って歌って踊れるKYUを披露して貰いたいんだ。」


『…………』


「勿論、俺とテジュンも、美racle/LadyのバックでKYUと3人で踊る予定だ。」


『ちょっと待ってくれチャンス!

俺も踊るのかよ!?』


「あぁ、勿論そのつもりだが!」


『無理だ!

有り得ねぇ!』


「そんな事無いだろ!?

ソナから聞いたけど、高校時代良くクラブに通ってたらしいじゃないか!

得意なロックダンスやアニメーションをファンの子達に見せてやってくれよ!?」


『ソナの奴!

いらんこと喋りやがって…!

わかったよ!

やれば良いんだろ!』


「コマッタ(アリガトウ)

KYUは簡単なステップでボーカルの周りを躍りながらアピールして貰うからね。」


二人共、無言でうつ向いて仕舞った。


ジョージとケントは、必死で笑いを堪えていたが、


『チャンス、おいらとケントは踊らなくても良いのかにぁ!?

なんなら、おいらも踊っちゃっても良いよ~ん!』


「いや、ジョージは今回シンセサイザーでSE(効果音)を担当して欲しいんだ。」

『シンセ!?

面白そうなのら~!

ケントは!?』


「ケントは、美racle/Ladyと一緒にドラムを頼む!」


『ツインドラムかぁ。

面白そうだな!

でも、どうしてなんだ?』


「美racle/Ladyのドラムは、テクニックはあってもパワーにかけているんだ。

だから、ステージを盛り上げる為の演出としてのツインドラムなんだ。」


『チャンスは色々考えているんだな。』
< 93 / 371 >

この作品をシェア

pagetop