狂気と良気
「それは、今から何百年も前の話。資料館の分厚い本の中に書いていた。狂気細胞を作ってみたいと言った学者がいた。医学博士というやつが、その実験に大賛成したのだが…住民が、反対運動を起こし中止になったはずだったのだ。しかし、学者と博士は犯罪心理の研究をどうしてもしたくて隔離施設を作り、膨大な額の金で参加してくれる住民を集めたのだ。やってきたのは、小さな子供がいる母親や妊娠中の女ばかりだった…。一年間、その人達に薬を飲ませ続けた。結果は出なかったのだ…。結局狂気細胞は完全ではなかったと考えられ、一年で実験は中止になった。」