一生恋愛



謙ちゃんが何処にいるか聞きたい…のに。





喋れないから何も聞けない。


携帯もこういう時に限って持ってきてないんだ…。




その男の子を見ながらオロオロしていると、あたしに気付いたのか、こっちに近づいてきた。




近づいてきて、はっきり見える顔。


それは机の上で寝ることの多い、宮下くんだった。






「なにあんた。…なんか用??」



生意気そうに言う宮下くん。




紙とペンがないから何も話す手段がない。
…頑張って声を出そうとするんだけど、声も全くでない。




こんなめんどくさい子、普通誰だって嫌になるよね…。

泣きそうになったとき、宮下くんが話しかけてきた。







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