一生恋愛



「あった…。」










少しくしゃくしゃになった封筒を机の上に広げる。










俺は未開封だった方の封筒を開けた。











『宮下くん。

これを開けたってことは………。



ねぇ宮下くん?

宮下くんはあたしが彼女で幸せだった?


死ぬかもしれないって分かってた上で付き合ってくれて、あたしはすごい幸せだったよ。




あたしは少し先に行くけど、宮下くんをずっとずっと待ってるから。



宮下くんは、まだまだこれから幸せがいっぱい待ってるよね。
だから、あたしの分まで幸せになって。

好きな人作って、結婚して、暖かい家庭を持つの。



少し寂しいけど、あたしのことは忘れても構わない。

宮下くんの幸せを願ってるよ。




あ、それと、同封してある紙、謙ちゃんに渡しといて下さい。




それじゃあ。……ばいばい。』






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