一生恋愛


入学式なう。とでも言ってみる。


人が沢山いて、まだ春だっていうのに暑い。

我慢しつつ、つまらないくせに長い校長の話が終わってほっとしていたとき、その子は現れた。




「新入生代表、高原美由」


「はい。」






その子は、お世辞でぐらいしか"可愛い"とは言えない、と思う。

世に言う普通という顔をした、女だ。



ぶっちゃけ言えば、俺が中学卒業のときに告白された女子たちと比較しても、全然見劣りするレベル。






そのはずなのに、そのときの俺は何故か胸が高鳴り、顔が赤く染まる。


その"高原美由"から目が離せないでいた。










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