一生恋愛




長い間涙を流し、だいぶ気持ちが落ち着いて来たころ、高原は言った。



「私、宮下くんが大好きだった。」





胸が痛くなる。

…そうか。
高原は"今の俺"じゃなくて"前世の俺"が好きなんだよな…。




嬉しいのに寂しい。
ぐちゃぐちゃな心の俺。



そんな俺に、高原は表面だけの笑みを浮かべた。




「……でも今の私は、前世とか関係なしに矢島くんが好き。
矢島くんは私のことなんとも思ってないかもしれないけど…
それならせめて、真由としての私が傍にいることを許して欲しいの。」



「狡くてごめん」と謝ってくる高原を、俺は強く抱きしめた。











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