Four Tethers〜絆〜
「ま、いいわ。その代わり…」

 沙織がテーブルの下から取り出したのは、携帯電話だった。
 ご丁寧に、この前買った熊のストラップがつけてある。

「これ持っていって。番号はもうメモリーしてあるから」
「はい…」

 よろしい、と頷く沙織。
 最近は本当に綾の扱いに慣れてきたようだった。
 まぁ、これで沙織が安心するなら、喜んで使わせてもらうことにする。
 決して危険なことをしようとしているのではないが…敵の不穏な動きを少しでも探ることが出来ればいい。
 綾はそう思った。
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