Four Tethers〜絆〜
「平気。少し破けただけだから。それより…ごめん。心配かけた」
「ううん、無事で良かった…」

 いつの間にか、結界は完全になくなっていた。
 さっきまでの重苦しい雰囲気はもう感じられない。
「沙織も…何もなかったのか?」

 心配そうに、綾は聞いた。

「…平気よ。何も、なかったわ」

 良かったな、と綾はほっとした。

「とにかく今は帰ろう」

 悠が言った。

☆☆☆

 結界がなくなるのと同時に、外には敵は一人もいなくなっていた。
 操られていた人間も、今は何事もなかったかのように駅周辺を普通に歩いている。
 四人が家に帰る頃には、時間はすでに真夜中を過ぎていた。
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