Four Tethers〜絆〜
ACT.3…『同 居』
☆☆☆
そして、次の日。
店が定休日なので、沙織と綾は町へ買い物に出掛けることにした。
荷物らしい荷物を何も持たずに転がり込んできた居候三人分の着替えと、その他必要な生活雑貨を買う為だ。
「ねえねえ見て見て、このマグカップ可愛い!」
沙織はなんだか楽しそうだった。色違いのお揃いのマグカップと歯ブラシを四つずつ並べて喜んでいる。
「いいんじゃない?」
「なによ、買い物楽しくないの?」
あまりにもノリが悪い綾に、少し拗ねた表情を浮かべる沙織。
「――…楽しいよ」
「どうもそうは見えないんだけれどね…」
はっきり言ってマグカップも歯ブラシも、綾にとっては使えれば何でもいいのだ。頼むから早く決めてくれ、と綾はうんざりしている。
朝から半日かけて、車のトランクいっぱいに買い物をし、デパートの中のカフェで二人は休んでいた。
「この紅茶、おいしいね」
「あたしは沙織の入れてくれたコーヒーの方が好きだけどね」
さすがに歩き疲れた様子の綾が言う。
「でもお金、大丈夫なの?」
かなり多く買い物をしたが、支払いは綾が全部カードで済ませていた。
沙織はしっかりと綾がしたサインの名前をチェックしていた。
【中川美恵子】
綾はそう書いていた。
そして、次の日。
店が定休日なので、沙織と綾は町へ買い物に出掛けることにした。
荷物らしい荷物を何も持たずに転がり込んできた居候三人分の着替えと、その他必要な生活雑貨を買う為だ。
「ねえねえ見て見て、このマグカップ可愛い!」
沙織はなんだか楽しそうだった。色違いのお揃いのマグカップと歯ブラシを四つずつ並べて喜んでいる。
「いいんじゃない?」
「なによ、買い物楽しくないの?」
あまりにもノリが悪い綾に、少し拗ねた表情を浮かべる沙織。
「――…楽しいよ」
「どうもそうは見えないんだけれどね…」
はっきり言ってマグカップも歯ブラシも、綾にとっては使えれば何でもいいのだ。頼むから早く決めてくれ、と綾はうんざりしている。
朝から半日かけて、車のトランクいっぱいに買い物をし、デパートの中のカフェで二人は休んでいた。
「この紅茶、おいしいね」
「あたしは沙織の入れてくれたコーヒーの方が好きだけどね」
さすがに歩き疲れた様子の綾が言う。
「でもお金、大丈夫なの?」
かなり多く買い物をしたが、支払いは綾が全部カードで済ませていた。
沙織はしっかりと綾がしたサインの名前をチェックしていた。
【中川美恵子】
綾はそう書いていた。