Four Tethers〜絆〜

ACT.4…『攻 防』

 一方、岬の灯台へ続く道。
 悠は敵の嵐のような攻撃を防ぐことしか出来なかった。
 一瞬でも気を抜けば、槍のような衝撃波が、悠の防御壁をも突き抜けてくる。

(もう時間がない…)

 内心焦る悠。
 灯台まではもうすぐなのに、近づくことすら出来ない。
 女は顔色ひとつ変えずに、すっと右手を動かす。
 同時に襲って来る強い衝撃。

(このままじゃ…埓があかないな…)

 悠は、女の攻撃が途切れた一瞬の隙を狙って攻撃を仕掛けた。
 だが女は、それを軽く避けると物凄いスピードで移動して、後ろから悠を地面に叩き付ける。

「……っ」

 激痛に、顔をしかめる悠。
 だが、また背後から殺気が迫っていた。

(避けきれない…!)

 続けざまに繰り出される攻撃に、こっちの動きが鈍る。
 見上げた時には既に、女が間近に迫っていた。

「…!!」

 だがその時、女は自分の目の前に防御壁を作った。
 次の瞬間、閃光が女の目の前で弾け散る。
 見なくてもわかる――これは、長年馴れ親しんだ気配。

「遅かったな」

 立ち上がり、悠が言った。

「すまない。ここでも足止めか」

 悠の横に、綾と諒が並ぶ。

「みんな集まったのね…でも、同じ事…」

 女は変わらない様子でそう言った。

「この声…一樹の所で聞いた声だ…!」

 綾が呟く。
 女は宙に浮き上がると、両手を高くかざす。

「…何者も、邪魔はさせない」

 頭上から来る、雨のような攻撃。
 三人は素早くそれを避けた。
 相手の攻撃が途切れずに、反撃のタイミングがつかめない。
 一瞬の隙もない。
 綾と諒は女の前後にまわりこむ。
 だが、一瞬で女は消えた。

「どこに…うわっ!」

 綾は背中にダメージを受けて、前のめりに倒れた。
 次の瞬間、諒も倒れる。
 悠は目を見張る。
 今のは消えたのではなく、女が物凄いスピードで動いたのだ。
 悠のフォローも間に合わない程に――。
 まともに衝撃をくらってしまった二人は、動けないでいる。

「もう少し…あと少しで、力が手に入る…無敵の力が」
「ふざけんな…!」

 綾は歯を食い縛る。
 悠が綾を抱き起こした。
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