Four Tethers〜絆〜
「悠、あいつ、何をする気なんだ…?」
女を睨み付けながら、綾は聞いた。
「沙織ちゃんの能力を、一樹を使って目覚めさせようとしてる。おそらく、あの女に力を注ぎ込んでいるのも一樹だ」
今の相手の攻撃で、力の差は歴然としている。
沙織の居場所と敵の目的が分かった以上、余計な体力の消耗は、避けなければならない。
「先に灯台へ行く」
「あぁ。任せた」
短く会話を交わす。
諒も、綾と一瞬だけ視線を絡ませた。
軽く頷いて、綾は灯台へ向かう。
すかさず女は綾に攻撃を仕掛けた。
だが悠が防ぐ。
諒も綾をフォローするように、女の行く手を阻んだ。
「沙織…!」
綾は、必死で走る。
ふらつく足で、それでも何とか灯台に近づこうとしたその時、背後でひときわ大きな閃光が走った。
綾は一瞬、立ち止まる。だが、振り向かずにまた進んだ。
次から次へと敵に注ぎ込まれる力の源を断ち切らなければ、この戦いには絶対に勝てない。
――それは、分かっている。
今、自分が取った行動は、決して間違ってはいなかった筈。
だが、さっきの閃光が背後で光った直後に――。
(うそだろ…!)
綾は、それでも走るスピードを緩めなかった。
どこにいても感じる仲間の気配。
今はそれを、どこにも感じることは出来なかった。
(悠…諒!)
かけがえのない仲間。
(居なくなったのかよ…っ!)
信じたくはなかった。
女を睨み付けながら、綾は聞いた。
「沙織ちゃんの能力を、一樹を使って目覚めさせようとしてる。おそらく、あの女に力を注ぎ込んでいるのも一樹だ」
今の相手の攻撃で、力の差は歴然としている。
沙織の居場所と敵の目的が分かった以上、余計な体力の消耗は、避けなければならない。
「先に灯台へ行く」
「あぁ。任せた」
短く会話を交わす。
諒も、綾と一瞬だけ視線を絡ませた。
軽く頷いて、綾は灯台へ向かう。
すかさず女は綾に攻撃を仕掛けた。
だが悠が防ぐ。
諒も綾をフォローするように、女の行く手を阻んだ。
「沙織…!」
綾は、必死で走る。
ふらつく足で、それでも何とか灯台に近づこうとしたその時、背後でひときわ大きな閃光が走った。
綾は一瞬、立ち止まる。だが、振り向かずにまた進んだ。
次から次へと敵に注ぎ込まれる力の源を断ち切らなければ、この戦いには絶対に勝てない。
――それは、分かっている。
今、自分が取った行動は、決して間違ってはいなかった筈。
だが、さっきの閃光が背後で光った直後に――。
(うそだろ…!)
綾は、それでも走るスピードを緩めなかった。
どこにいても感じる仲間の気配。
今はそれを、どこにも感じることは出来なかった。
(悠…諒!)
かけがえのない仲間。
(居なくなったのかよ…っ!)
信じたくはなかった。