Four Tethers〜絆〜
ACT.3…『 絆 』
もうすぐ秋も終わり、寒い冬がやって来ようとしているというのに、空は晴れ、動いていると少し汗ばむ位の暖かい陽気だった。
綾は、海沿いの喫茶店【FREE-TIME】の看板を外に出し、眩しそうに目を細める。
「いい天気だな、今日は」
う〜ん、と両手を大きく伸ばす。
この前の激闘を繰り広げてから、もう一ヶ月が過ぎ、あの時負った怪我もすっかり完治した。
「綾さん、おはよう!」
「おはよ〜、美紀!」
あの戦いで“友達”になった能力者の美紀。
あれ以来、彼女は毎朝、店の前の道を通って学校へ通うようになっていた。
「あのね、昨日電車の中で、すっごくかっこいい人見つけちゃった♪」
「あーのーねー。毎日毎日そんなことばかり言ってないで、少しは勉強したら?」
「してるもん」
他愛もない会話が、今は嬉しくてしょうがないというように、好きな人のこと、友達のことなど毎日色々なことを話していく。
綾も、それを聞くのが朝の楽しみだった。
あれ以来、能力は衰えていなかったが、使う必要がなかった。
敵が襲ってくることがなくなったから。
「毎日楽しそうでよかったな、美紀」
「…もしかして、私のことが羨ましいの? 綾さん寂しがり屋だから」
「ば〜か。早く学校行け」
美紀は笑って歩き出す。
そんな様子を、笑顔で見送りながら、綾はさぁて、と店の中に入る。
「おはよう、綾。いい天気だな」
「遅い! あたしより早く起きろって言ってるだろ、悠」
目をこすりながら起きてきた悠に、綾が怒鳴る。
「…だから何でだよ」
「な〜んかムカつくから♪」
笑いながら言う綾。
悠の後ろから、諒もあくびをしながら店に出てくる。
「おっす。いい天気だな」
「なぁんで二人して同じこと言うかなぁ」
呆れた様子で、綾は言った。
「いいじゃねぇか、別に」
あ〜もう、とか言いながら、綾はてきぱきと店の中の掃除を始める。
「お。今日も気合い十分だなぁ」
感心感心、と、頷く悠。
「当たり前だろ、あたし、この店大好きなんだから」
「その次のセリフは『せっかく沙織が元通りに直したんだから』だろ?」
からかうように諒が言った。
やかましい、と言い返す綾。
綾は、海沿いの喫茶店【FREE-TIME】の看板を外に出し、眩しそうに目を細める。
「いい天気だな、今日は」
う〜ん、と両手を大きく伸ばす。
この前の激闘を繰り広げてから、もう一ヶ月が過ぎ、あの時負った怪我もすっかり完治した。
「綾さん、おはよう!」
「おはよ〜、美紀!」
あの戦いで“友達”になった能力者の美紀。
あれ以来、彼女は毎朝、店の前の道を通って学校へ通うようになっていた。
「あのね、昨日電車の中で、すっごくかっこいい人見つけちゃった♪」
「あーのーねー。毎日毎日そんなことばかり言ってないで、少しは勉強したら?」
「してるもん」
他愛もない会話が、今は嬉しくてしょうがないというように、好きな人のこと、友達のことなど毎日色々なことを話していく。
綾も、それを聞くのが朝の楽しみだった。
あれ以来、能力は衰えていなかったが、使う必要がなかった。
敵が襲ってくることがなくなったから。
「毎日楽しそうでよかったな、美紀」
「…もしかして、私のことが羨ましいの? 綾さん寂しがり屋だから」
「ば〜か。早く学校行け」
美紀は笑って歩き出す。
そんな様子を、笑顔で見送りながら、綾はさぁて、と店の中に入る。
「おはよう、綾。いい天気だな」
「遅い! あたしより早く起きろって言ってるだろ、悠」
目をこすりながら起きてきた悠に、綾が怒鳴る。
「…だから何でだよ」
「な〜んかムカつくから♪」
笑いながら言う綾。
悠の後ろから、諒もあくびをしながら店に出てくる。
「おっす。いい天気だな」
「なぁんで二人して同じこと言うかなぁ」
呆れた様子で、綾は言った。
「いいじゃねぇか、別に」
あ〜もう、とか言いながら、綾はてきぱきと店の中の掃除を始める。
「お。今日も気合い十分だなぁ」
感心感心、と、頷く悠。
「当たり前だろ、あたし、この店大好きなんだから」
「その次のセリフは『せっかく沙織が元通りに直したんだから』だろ?」
からかうように諒が言った。
やかましい、と言い返す綾。