Four Tethers〜絆〜
だが敵は軽く攻撃をかわすと、真っ直ぐに沙織の方へ向かっていった。
「てめぇっ…!」
あくまで狙いは沙織なのか。
綾がその間に割って入る。
そして、至近距離から閃光を放った。
(当たった…か?)
次の瞬間、綾の体が宙を舞った。
「綾っ!」
「このっ…」
地面に叩きつけられる直前に、身体を反転させて体制を立て直す綾。
まるでうざいというように、女の姿をした“それ”は綾を睨み付けた。
その隙に、沙織は綾の方へ駆け寄る。
『鍵…を壊せば…』
女は言った。
意味が分からなかったが、沙織は何故か悪寒が走った。
「鍵、って…」
「多分、あんたのことだよ、沙織。あいつ、何を勘違いしてんだか…!」
沙織は関係ねぇのにな、と綾は言った。
その鍵を壊すということは…。
そして、女は軽く右手を振った。
「…させるかっ!」
それよりも一瞬早く、綾が両手を前に突き出す。
すると、目の前に薄いブルーの膜が出来た。
「きゃぁっ…」
だが、女の放った衝撃波のようなものは、綾の防御をいとも簡単に突き破る。
幾分か衝撃は緩和されたものの、沙織と綾は弾き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「くっ…」
沙織を抱えるようにして起き上がりながら、どうすればいい…と綾は考えを巡らせる。
力の差は明らかに目に見えている。
このままじゃ、諒達が気付くまで無事でいられるかも怪しい。
…何か対策は。
「大丈夫か」
「う、うん、平気」
綾に支えられ、なんとか沙織も起き上がった。
あれは、自分のことを“鍵”だと言った。
自分がいなければ、あれはこちらの世界に来やすくなる…?
「ねぇ、綾」
そこまで考えを巡らせてから、沙織は言った。
「私が“鍵”なら、あの場所から出ない方がよかったんじゃないのかな…」
もちろん、確信はない。
相手から視線を離さずに、綾は聞き返した。
「どういうこと?」
「よく分からないけど…鍵を閉めるの」
それは、沙織自身も説明のしようがなかった。
「てめぇっ…!」
あくまで狙いは沙織なのか。
綾がその間に割って入る。
そして、至近距離から閃光を放った。
(当たった…か?)
次の瞬間、綾の体が宙を舞った。
「綾っ!」
「このっ…」
地面に叩きつけられる直前に、身体を反転させて体制を立て直す綾。
まるでうざいというように、女の姿をした“それ”は綾を睨み付けた。
その隙に、沙織は綾の方へ駆け寄る。
『鍵…を壊せば…』
女は言った。
意味が分からなかったが、沙織は何故か悪寒が走った。
「鍵、って…」
「多分、あんたのことだよ、沙織。あいつ、何を勘違いしてんだか…!」
沙織は関係ねぇのにな、と綾は言った。
その鍵を壊すということは…。
そして、女は軽く右手を振った。
「…させるかっ!」
それよりも一瞬早く、綾が両手を前に突き出す。
すると、目の前に薄いブルーの膜が出来た。
「きゃぁっ…」
だが、女の放った衝撃波のようなものは、綾の防御をいとも簡単に突き破る。
幾分か衝撃は緩和されたものの、沙織と綾は弾き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「くっ…」
沙織を抱えるようにして起き上がりながら、どうすればいい…と綾は考えを巡らせる。
力の差は明らかに目に見えている。
このままじゃ、諒達が気付くまで無事でいられるかも怪しい。
…何か対策は。
「大丈夫か」
「う、うん、平気」
綾に支えられ、なんとか沙織も起き上がった。
あれは、自分のことを“鍵”だと言った。
自分がいなければ、あれはこちらの世界に来やすくなる…?
「ねぇ、綾」
そこまで考えを巡らせてから、沙織は言った。
「私が“鍵”なら、あの場所から出ない方がよかったんじゃないのかな…」
もちろん、確信はない。
相手から視線を離さずに、綾は聞き返した。
「どういうこと?」
「よく分からないけど…鍵を閉めるの」
それは、沙織自身も説明のしようがなかった。