Four Tethers〜絆〜
「まだ完全に、あなたの能力は覚醒してはいない。だから意識していなくても、こうなってしまう…例えあなたに、全くそのつもりがなくてもね」
自分のせいで、またみんなを危険な目に合わせてしまったのか。
自分がみんなを戦わせている。
どうしてこんな…。
あの三人を危険な目に遭わせる為にここに来たんじゃない。
絶対に違う。
沙織はそう反論しようとしたが、その言葉を発する前に、婦人は立ち上がるとゆっくりと沙織の隣に歩み寄る。
「あなたは、この場所がどういう場所なのか知ってるの?」
その問いに、沙織は綾がお風呂で言っていたことを思い出した。
「…ここは、悠くんや諒くんにとって、鋭気を養える場所だって聞きました」
その答えに、婦人はそうね、と頷く。
「そして、私にもここはとても居心地のいい空間なの。私達にとって居心地がいい場所とは、同時に敵にとってもパワーを養える場所でもあるのよ」
沙織は、婦人のその言葉の真意を理解することが出来なかった。
彼女は一体、何が言いたいのだろう。
「あなたのお店がある場所も、ここと同じようにいい“気”が出ている場所なの」
窓の外を見つめたまま、婦人はそう言った。
そう言えば、喫茶店【FREE-TIME】の場所も、ここと同じように“気”の溜まる場所だ。
婦人はそれを知っていて、沙織を住まわせていたのだ。
沙織はふと、この前悠達が帰っていた時のことを思い出す。
あの時戦っていた敵は、沙織のことを“鍵”だと言っていた。
婦人は“こちらが敵を誘い出した”と言う。
「…まさか…」
そこから導き出される一つの可能性に辿り着き、沙織は思わず呟いた。
婦人は、沙織の方を見る。
「何となく思い当たる事もあるようね…。あなたの“能力”は、こちら側とあちら側のゲートである空間をコントロールする力…」
出来ることなら。
この次に彼女の口から出てくる言葉は、聞きたくない。
今すぐに、この場所から逃げ出したいと、沙織は思った。
自分のせいで、またみんなを危険な目に合わせてしまったのか。
自分がみんなを戦わせている。
どうしてこんな…。
あの三人を危険な目に遭わせる為にここに来たんじゃない。
絶対に違う。
沙織はそう反論しようとしたが、その言葉を発する前に、婦人は立ち上がるとゆっくりと沙織の隣に歩み寄る。
「あなたは、この場所がどういう場所なのか知ってるの?」
その問いに、沙織は綾がお風呂で言っていたことを思い出した。
「…ここは、悠くんや諒くんにとって、鋭気を養える場所だって聞きました」
その答えに、婦人はそうね、と頷く。
「そして、私にもここはとても居心地のいい空間なの。私達にとって居心地がいい場所とは、同時に敵にとってもパワーを養える場所でもあるのよ」
沙織は、婦人のその言葉の真意を理解することが出来なかった。
彼女は一体、何が言いたいのだろう。
「あなたのお店がある場所も、ここと同じようにいい“気”が出ている場所なの」
窓の外を見つめたまま、婦人はそう言った。
そう言えば、喫茶店【FREE-TIME】の場所も、ここと同じように“気”の溜まる場所だ。
婦人はそれを知っていて、沙織を住まわせていたのだ。
沙織はふと、この前悠達が帰っていた時のことを思い出す。
あの時戦っていた敵は、沙織のことを“鍵”だと言っていた。
婦人は“こちらが敵を誘い出した”と言う。
「…まさか…」
そこから導き出される一つの可能性に辿り着き、沙織は思わず呟いた。
婦人は、沙織の方を見る。
「何となく思い当たる事もあるようね…。あなたの“能力”は、こちら側とあちら側のゲートである空間をコントロールする力…」
出来ることなら。
この次に彼女の口から出てくる言葉は、聞きたくない。
今すぐに、この場所から逃げ出したいと、沙織は思った。