Four Tethers〜絆〜
出来ることなら信じたいが…自分の力をコントロールすることすら出来ない。
どうしたらいいか、全く分からなかった。
「あの子達も、きっとあなたの事を信じている。仲間として…友人として」
「信じられてる…?」
婦人は頷いた。
「このまま敵を放っておいたら、この世界はいつか滅ぶわ。人間のマイナスの感情を糧にして、力が徐々に強くなっているの」
もしかしたら、戦争まで引き起こすかもしれない、と婦人は付け加えた。
まさか自分が、そんな大それたことに関係するなんて、思ってもみなかった。
でも…。
綾も悠も諒も、今も必死で戦っている。
沙織のため、みんなのために。
それはわかる。
――それは、理解できる。
でも、何かが理解できていないのだ。
いくら、頭の中で理解したところで、もっと違う心の奥深くで、何かが引っ掛かっている。
「…あなたの言うことには…納得出来ません」
沙織は立ち上がった。
婦人は悲しそうに俯く。
「…だから、自分の目で見て、自分の考えで判断したいと思います…私が何なのかを」
沙織は玄関に向かうドアに手をかけた。
「…そして…私の友達の為に、行きます」
振り返って少し笑う。
婦人は、そんな沙織に笑顔を返した。
この何カ月か、一緒に住んでみて、とても楽しいと感じる毎日だった。
少しも嫌な思いはしない…お互いに、認め合っているから。
この世界の人間がどうかなるなんて、大きすぎて自分にはわからない。
でも、大事な友達のためなら、出来る限りのことをしようと思った。
外に出たらすぐに、みんながどこにいるのか分かった。
遊園地のある方向の空に、時折閃光が走っている。
「あそこね」
沙織は走りだした。
どうしたらいいか、全く分からなかった。
「あの子達も、きっとあなたの事を信じている。仲間として…友人として」
「信じられてる…?」
婦人は頷いた。
「このまま敵を放っておいたら、この世界はいつか滅ぶわ。人間のマイナスの感情を糧にして、力が徐々に強くなっているの」
もしかしたら、戦争まで引き起こすかもしれない、と婦人は付け加えた。
まさか自分が、そんな大それたことに関係するなんて、思ってもみなかった。
でも…。
綾も悠も諒も、今も必死で戦っている。
沙織のため、みんなのために。
それはわかる。
――それは、理解できる。
でも、何かが理解できていないのだ。
いくら、頭の中で理解したところで、もっと違う心の奥深くで、何かが引っ掛かっている。
「…あなたの言うことには…納得出来ません」
沙織は立ち上がった。
婦人は悲しそうに俯く。
「…だから、自分の目で見て、自分の考えで判断したいと思います…私が何なのかを」
沙織は玄関に向かうドアに手をかけた。
「…そして…私の友達の為に、行きます」
振り返って少し笑う。
婦人は、そんな沙織に笑顔を返した。
この何カ月か、一緒に住んでみて、とても楽しいと感じる毎日だった。
少しも嫌な思いはしない…お互いに、認め合っているから。
この世界の人間がどうかなるなんて、大きすぎて自分にはわからない。
でも、大事な友達のためなら、出来る限りのことをしようと思った。
外に出たらすぐに、みんながどこにいるのか分かった。
遊園地のある方向の空に、時折閃光が走っている。
「あそこね」
沙織は走りだした。