Four Tethers〜絆〜
ACT.3…『激 闘』
メリーゴーランドの屋根の上。
長い髪が風にあおられて、宙に舞っていた。
「また会えて嬉しいね」
言葉の内容とはまるで違うニュアンスを含み、綾は険しい表情で身構える。
だが、動こうとする直前、諒に止められた。
「下がってろ」
「嫌だね」
「お前の力じゃだめだ」
頭ごなしにそう言われて、あきらかにむっとする綾。
そんなことは、この前の戦闘で嫌という程思い知らされている。
だが、それでも。
「借りがあるんだよっ!」
言いながら、綾はメリーゴーランドめがけて跳躍した。
諒は微かに舌打ちをすると、綾の後を追う。
悠は、その二人のフォローにまわるべく、いつでも防御壁を作れる位置に移動した。
「この前はよくもやってくれたなぁっ!」
綾は叫んで女に飛びかかる。
至近距離まで跳躍して、右手を大きく振りかざした。
だが、直前で女は消えた。
勢いあまってバランスを崩しながら、綾は振り向く。
女は綾のことなどまるで気に掛けてないとでも言うように、諒の頭上を飛び越えて真っ直ぐに悠を狙った。
「悠っ!!」
弾き飛ばされる悠。
諒が素早く動き、悠がアスファルトの地面に叩きつけられる寸前で自らの身体をその間に滑り込ませて悠を受け止めた。
「すまん、諒」
「いや」
女は顔色一つ変えずに、宙に浮いたまま悠達を見下ろしていた。
悠は眉をひそめた。
確かめなくても分かる。
前に戦ったときよりも、明らかにパワーが格段に増している。
「早かったな、動きが」
悠の言葉に、諒が頷く。
敵は十分に“あちら”で力を補充してきたのだろうが、こっちはそれがまるで出来ていないのだ。
「二人とも避けろ!」
いきなりそう叫び、綾が女の後ろから攻撃する。
悠達はその場を飛びのいたが、女はそれを避けようとはしなかった。
「当たっ…た…?」
地面に降り立ち、綾は女の方を見た。
――だが。
相手はまるでダメージを受けていない。
破れるはずの服もそのままで、まるで何事もなかったかのようにたたずんでいる。
長い髪が風にあおられて、宙に舞っていた。
「また会えて嬉しいね」
言葉の内容とはまるで違うニュアンスを含み、綾は険しい表情で身構える。
だが、動こうとする直前、諒に止められた。
「下がってろ」
「嫌だね」
「お前の力じゃだめだ」
頭ごなしにそう言われて、あきらかにむっとする綾。
そんなことは、この前の戦闘で嫌という程思い知らされている。
だが、それでも。
「借りがあるんだよっ!」
言いながら、綾はメリーゴーランドめがけて跳躍した。
諒は微かに舌打ちをすると、綾の後を追う。
悠は、その二人のフォローにまわるべく、いつでも防御壁を作れる位置に移動した。
「この前はよくもやってくれたなぁっ!」
綾は叫んで女に飛びかかる。
至近距離まで跳躍して、右手を大きく振りかざした。
だが、直前で女は消えた。
勢いあまってバランスを崩しながら、綾は振り向く。
女は綾のことなどまるで気に掛けてないとでも言うように、諒の頭上を飛び越えて真っ直ぐに悠を狙った。
「悠っ!!」
弾き飛ばされる悠。
諒が素早く動き、悠がアスファルトの地面に叩きつけられる寸前で自らの身体をその間に滑り込ませて悠を受け止めた。
「すまん、諒」
「いや」
女は顔色一つ変えずに、宙に浮いたまま悠達を見下ろしていた。
悠は眉をひそめた。
確かめなくても分かる。
前に戦ったときよりも、明らかにパワーが格段に増している。
「早かったな、動きが」
悠の言葉に、諒が頷く。
敵は十分に“あちら”で力を補充してきたのだろうが、こっちはそれがまるで出来ていないのだ。
「二人とも避けろ!」
いきなりそう叫び、綾が女の後ろから攻撃する。
悠達はその場を飛びのいたが、女はそれを避けようとはしなかった。
「当たっ…た…?」
地面に降り立ち、綾は女の方を見た。
――だが。
相手はまるでダメージを受けていない。
破れるはずの服もそのままで、まるで何事もなかったかのようにたたずんでいる。