Four Tethers〜絆〜
悠も、ふらついてはいるが、何とか起き上がる。
「悠くん…?」
「よくやったね、沙織ちゃん」
悠はそう言って、微かに微笑む。
確かに落ちたはず…沙織は頭上のジェットコースターのレールを見上げた。
陽子も気絶してはいるが、何処にも怪我はなく無事なようだった。
陽子を包んでいたあの結界も消えている。
だが、上を見上げると女は無表情のまま、こっちを見下ろしていた。
そして、女は沙織に向かってすっと手をかざした。
「……っ!」
沙織は思わず目を閉じる。
その時、轟音とともに、女めがけて衝撃波が走る。
それは女にもろに直撃した。
「まだ、だ」
諒だった。
その後ろから、綾も来ていた。
女は諒に向かって攻撃する。
が、悠の結界によって強力に守られていて、その力は通用しない。
諒は容赦なく、その手から衝撃波を連続で放った。
かなわないと思ったのか、女は目標を綾に変える。
「姑息な奴ぅ…一番か弱いあたしを狙うなんてっ!」
もちろん、悠が結界で守ってくれているのはわかっている。
綾は高く跳躍して、至近距離から攻撃する。
綾のパワーも増していた。
ダメージを受けた女の動きが一瞬止まる。
「諒っ! とどめっ!!」
さっきまでとは明らかに違う、絶大なパワーの攻撃。
一瞬恨めしい表情を残し、女は粉々に砕けて消えた。
その戦いぶりを、沙織は呆然と眺めていた。
…これが、みんなの戦い方…?
「よっ。無事か?」
下手くそなウインクをしながら、綾が言った。
「うん、大丈夫。でも…」
「なに?」
「すごい連携プレーだね」
はぁ? と首をかしげる綾。そして「すげぇのはどっちだよ」とボソッと呟く。
「陽子ちゃん、怪我してない?」
悠が言った。
見たところ外傷はないようだった。
先程までのおぞましい表情とは打って変わって、今は穏やかな顔で眠っている。
「でもどうしてあの人、消えたの?」
真顔で訪ねる沙織を見て、綾はくすくす笑った。
かわりに悠が説明してくれる。
「陽子ちゃんを助けようとして飛び降りた沙織ちゃんは、一瞬だけ力を使えたんだよ」
意味が分からずに、沙織は首を傾げた。
「悠くん…?」
「よくやったね、沙織ちゃん」
悠はそう言って、微かに微笑む。
確かに落ちたはず…沙織は頭上のジェットコースターのレールを見上げた。
陽子も気絶してはいるが、何処にも怪我はなく無事なようだった。
陽子を包んでいたあの結界も消えている。
だが、上を見上げると女は無表情のまま、こっちを見下ろしていた。
そして、女は沙織に向かってすっと手をかざした。
「……っ!」
沙織は思わず目を閉じる。
その時、轟音とともに、女めがけて衝撃波が走る。
それは女にもろに直撃した。
「まだ、だ」
諒だった。
その後ろから、綾も来ていた。
女は諒に向かって攻撃する。
が、悠の結界によって強力に守られていて、その力は通用しない。
諒は容赦なく、その手から衝撃波を連続で放った。
かなわないと思ったのか、女は目標を綾に変える。
「姑息な奴ぅ…一番か弱いあたしを狙うなんてっ!」
もちろん、悠が結界で守ってくれているのはわかっている。
綾は高く跳躍して、至近距離から攻撃する。
綾のパワーも増していた。
ダメージを受けた女の動きが一瞬止まる。
「諒っ! とどめっ!!」
さっきまでとは明らかに違う、絶大なパワーの攻撃。
一瞬恨めしい表情を残し、女は粉々に砕けて消えた。
その戦いぶりを、沙織は呆然と眺めていた。
…これが、みんなの戦い方…?
「よっ。無事か?」
下手くそなウインクをしながら、綾が言った。
「うん、大丈夫。でも…」
「なに?」
「すごい連携プレーだね」
はぁ? と首をかしげる綾。そして「すげぇのはどっちだよ」とボソッと呟く。
「陽子ちゃん、怪我してない?」
悠が言った。
見たところ外傷はないようだった。
先程までのおぞましい表情とは打って変わって、今は穏やかな顔で眠っている。
「でもどうしてあの人、消えたの?」
真顔で訪ねる沙織を見て、綾はくすくす笑った。
かわりに悠が説明してくれる。
「陽子ちゃんを助けようとして飛び降りた沙織ちゃんは、一瞬だけ力を使えたんだよ」
意味が分からずに、沙織は首を傾げた。