Four Tethers〜絆〜
すると幾分か、気持ちが落ち着くような気がした。
「おいしい」
そう言って笑う沙織を、悠は少し真剣な顔で見つめている。
「そう言えば綾、いつまでお風呂に入ってるのかな…のぼせてないといいけど」
「綾は…まだお風呂に入ってないみたいだよ」
そうなのか、と沙織は納得する。
この三人は、いつもお互いを意識しているのだ。
こんな時いつも、少しだけ疎外感に苛まれる。
自分だけが取り残されているような気がする。
今回の件も、自分のせいで三人をまた戦いに導いてしまったということが、本当は嫌で嫌で仕方がないのに、自分にも“能力”があるということを確信して、少し嬉しい気持ちもあった。
これで、悠達に少しだけ近付けるような気がした。
そして、そう思ってしまう自分が情けなくて悔しくて、どうしようもないのだ。
「もう少し飲む?」
悠がブランデーのボトルを手にした。
いつの間にかグラスの中のお酒は無くなっている。
沙織はありがと、と言ってグラスを差し出した。
「怪我…大丈夫?」
ブランデーを注いでもらいながら、沙織は聞いた。
「いつもの戦闘の後に比べたら問題なし、かな。沙織ちゃんのおかげだね」
「そう…」
沙織は、どういう顔をしていいのか分からなかった。
「なんか、浮かない顔してるよね、沙織ちゃん」
「そんなことないよ」
悠の言葉に、沙織は慌てて首を振る。
「…ううん、何だか、悩んでいる顔をしているよ」
それでも悠にそう言い切られて、沙織はふと、窓の外に目を逸らした。
このまま悠と向かい合っていると、何だか自分のことを全部見透かされてしまいそうな気がした。
「…言ってくれないかな」
穏やかな口調で、悠はそう聞いてきた。
「こらからも、ずっと戦っていかなくちゃならないの…?」
視線を窓の外に移したまま言う沙織に、悠は躊躇うことなく頷いた。
「俺達はずっと、そうやって来たんだ。もうどのくらい続いていて、これから先どのくらい続くかわからない戦いをね…」
ずっと手に持ったままのグラスの氷が溶けて、カランと音を立てた。
「でも、それじゃ私は…」
言い掛けて、沙織は言葉を濁す。
「おいしい」
そう言って笑う沙織を、悠は少し真剣な顔で見つめている。
「そう言えば綾、いつまでお風呂に入ってるのかな…のぼせてないといいけど」
「綾は…まだお風呂に入ってないみたいだよ」
そうなのか、と沙織は納得する。
この三人は、いつもお互いを意識しているのだ。
こんな時いつも、少しだけ疎外感に苛まれる。
自分だけが取り残されているような気がする。
今回の件も、自分のせいで三人をまた戦いに導いてしまったということが、本当は嫌で嫌で仕方がないのに、自分にも“能力”があるということを確信して、少し嬉しい気持ちもあった。
これで、悠達に少しだけ近付けるような気がした。
そして、そう思ってしまう自分が情けなくて悔しくて、どうしようもないのだ。
「もう少し飲む?」
悠がブランデーのボトルを手にした。
いつの間にかグラスの中のお酒は無くなっている。
沙織はありがと、と言ってグラスを差し出した。
「怪我…大丈夫?」
ブランデーを注いでもらいながら、沙織は聞いた。
「いつもの戦闘の後に比べたら問題なし、かな。沙織ちゃんのおかげだね」
「そう…」
沙織は、どういう顔をしていいのか分からなかった。
「なんか、浮かない顔してるよね、沙織ちゃん」
「そんなことないよ」
悠の言葉に、沙織は慌てて首を振る。
「…ううん、何だか、悩んでいる顔をしているよ」
それでも悠にそう言い切られて、沙織はふと、窓の外に目を逸らした。
このまま悠と向かい合っていると、何だか自分のことを全部見透かされてしまいそうな気がした。
「…言ってくれないかな」
穏やかな口調で、悠はそう聞いてきた。
「こらからも、ずっと戦っていかなくちゃならないの…?」
視線を窓の外に移したまま言う沙織に、悠は躊躇うことなく頷いた。
「俺達はずっと、そうやって来たんだ。もうどのくらい続いていて、これから先どのくらい続くかわからない戦いをね…」
ずっと手に持ったままのグラスの氷が溶けて、カランと音を立てた。
「でも、それじゃ私は…」
言い掛けて、沙織は言葉を濁す。