Four Tethers〜絆〜
「ねぇ綾、今日は私の買い物、付き合って」
「…え〜…?」
「何よそのあからさまに嫌そうな顔は」
「…何か買いたい物でもあるの?」
「それは、お店を見ながら決めるから♪」

 至極にこやかに、沙織は言った。
 要するに、綾の大嫌いな“ウインドウショッピング”というヤツだ。

「まさか、この貴重な晴天の定休日に、1日家に閉じこもってるつもりじゃないでしょうねぇ?」

 綾としては、出来ればそうしたいのだが。
 期待に満ちている沙織の顔を見ると、何となく断れなかった。

「…わかったよ」

 うんうん、とにこやかに頷く沙織。
 反対に、綾はまたあの長い買い物に付き合わされるのかと、気が滅入ってきた。
< 96 / 156 >

この作品をシェア

pagetop