七色の朝日~永遠に続く恋物語~
 ここまでピンポイントで当てられると、返す言葉も見つからない。
「……えっと、当たり?」
「…………………うん」
「好き、なの?
「分かんない…」
「迷ってるの?」
「うん」
「迷ってるってことは、好きなんじゃないの?」
「そうなのかなぁ……」
 椿は、分からない。
 自分の気持ちを言葉にできない。
 自分の気持ちが、分からない。
「じゃあさ」
 さつきが、口を開いた。
「私がもし蒼谷くんと付き合うって言ったら、どーする?」
「……え」
―――さつきが?付き合う?蒼谷静矢と?
「イヤ、なんでしょ?」
「さつき……」
「イヤってことはもう好きなんだよ」
「でも…」
 さつきは、さっきまでのハイテンションがどこかへ言ったかのように椿にやさしく話した。
「椿、蒼谷くんは椿のこと好きなんだから。フラれたりはしないんだよ」
「……………」
「ほら、がんばって返事返そ?」
「……うん、そだね。明日とはいえないけど…頑張って返すね」
「よっしゃ!がんばって!!ライバルがいたら私がギッタギタにしてあげる!」
「逆に困る」
 そんな話をしながら椿は硬く決心した。
 静矢に返事を返すことを。
 静矢に「好き」と伝えることを。
< 11 / 33 >

この作品をシェア

pagetop