七色の朝日~永遠に続く恋物語~
「さて、邪魔者もいなくなったことだし、本題に入ろっか」
「さつきは邪魔なんかじゃ…」
 泉は椿の言葉を遮ってこういった。
「静矢クンのこと、どう思ってるの?」
「えっ…」
 次の言葉は椿の頭を空っぽにさせた。

「私、静矢クンと付き合うことになったんだ」
 
 泉はさらに続ける。
「だからさ、静矢クンのことどう思ってんのかなーって思って」
「……………」
 椿は何も言えなかった。
 言ってはいけないような気がしたから。
「ふぅん…信じられないんだ」
「え」
「私と静矢クンが付き合うこと」
「……」
「まぁでも、これ見たら何も言えない、よね」
 泉は一枚の写真を取り出した。
 その写真は―――

 静矢と泉の、ツーショット。
 静矢と泉が手をつないで歩いている後姿。
 泉は楽しそうに静矢を見て笑っている。
 静矢の顔は前を向いていて、この写真では分からない。

「だからさ、静矢クンのことが好きならあき――」
「佐久良っ!!!!」
 教室の扉が開いた。
< 19 / 33 >

この作品をシェア

pagetop