七色の朝日~永遠に続く恋物語~
 教室を出るとさつきが待っていた。
―――あ、忘れてた。
 すると、さつきにいきなり話しかけられた。
「椿」
「…?」
 椿は目だけでさつきに聞いた。
 さつきはそれに応えてくれた。
「明日、学校でね」
「…うん、じゃあ、明日。」
 すると、さつきは今まで見たことないくらい優しく微笑んだ。
「椿、よかったね」
「うん、ありがと」
 さつきはいつもとは違って、やさしく、やさしく椿を見つめた。
 さつきは、心の奥底から椿を祝った。
 誰にも、気づかれないように。
 椿と静矢。
 絶対に、永遠に、愛し合ってください。
 そして。
 私のように、悲しい終わりが二人には来ないでください。
 さつきは、願った。
 誰にも、気づかれないように。
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