七色の朝日~永遠に続く恋物語~
第二章
夏
~さつきside~
夏。
静矢と椿はあれから一緒に帰ってすらいなかった。
そんな2人を見かねたさつきは、2人にこんなことを言った。
「もうすぐ夏休みなんだからさー、2人でどっか行ってきなよ」
「え、でも……」
「……俺は、行きたい」
「私は…………静矢と一緒なら、どこでもいい、けど…」
「でたー!椿のノロケ!!」
「マジではずいから…椿、そーゆーの言わないで」
さつきはそんな2人に半ばあきれていた。
自分の恋だって大切な時期なのに…
改めて自分は世話焼きだなと感じる。
普段はハイテンションで接している自分が時折悲しくなることがある。
その点、いつも素直な椿はうらやましい。
彼氏もいて、いつも幸せそうで。
なんで、椿はそんなに幸せそうなんだろう。
「さーつーきっ!」
「えっ…どしたの、椿?」
「もー、さっきからぼーっとしてるんだもん」
「…あは、ゴメンゴメン!」
「……ねぇ、さつき」
「ん?何?」
「…好きな人とか、いないの?」