振り向いて…
「やっぱ流香ちゃんは優しいや。」
そう言って自分の席へと向かって行った。
「でさー……」
ガラガラ……
ドアの開く音が教室に響く。
「………司」
司はなにも言わず窓側の席へと向かう。
かっこいい~なんて騒いでる女子がいる。
「…………ッ」
姿を見るだけでツライのに神様は意地悪だ。
高校になってから2年間。
ずっと司と一緒のクラス。
“大好き”なら嬉しいことなのに、今の私にはツライ。
目があっても逸らされる。
そんな日常。
昔は仲が良かったのに、全く喋らなくなった。
「俺に近付かないで…」
「大嫌いだから……」
“あの日”以来冷たい言葉しかかけてくれなくなった。