hit! 〜鈴鳴と宙音の恋物語〜
「キーンコーンカーンコーン…」
やばっチャイム鳴った…!!
ガラッ
「ギリギリセーフッ☆」
あたしと宙音と謡の三人は、チャイムが鳴ったと同時に、教室に入った。
「…ほんっとにギリギリだな。
まぁいい。席つけ。」
よかったぁ!
こんだけ走って遅刻だったらあたしマジで泣いてたし。
「…ところで、なんでお前ら二人は手繋いでるんだ?
付き合ってたのか?」
へ?
手?
あたしは自分の手を見た。
あたしの手には宙音の手が絡まってて…
「キャーーーーッ!
宙音のバカッ!変態ッ////」
「いや、俺なんもしてね…ぐほっ!」
ドゴッ
と、宙音のお腹を殴ってやった。
「「「あははははっ」」」
クラスの皆が笑った。
…恥ずかし…
でも、手…
嬉しかったな。
宙音の手は、大きくて、ガッチリしてて、あったかくて…
チビだけど、やっぱ男の子だなぁとか思ったりした。
「…鈴鳴…顔…赤い…」
「…!!
うっさい!
黙りなさいよ、謡!」
ドゴッ
「…っ…」
謡のお腹にも殴ってやった。
「ふんっ」
あたしは自分の席についた。
さて、読者の皆さん。
多分気づいてると思うけど、あたしの好きな人は…
例のチビです。
「チビで有名な宙音です。」
「誰がチビって!?」
「…ぅわぁ!びっくりした~」
後ろには宙音がたっていた。
「俺、言っとくけど、鈴鳴よりはチビじゃねぇからなっ!」
「ぅ…っ」
確かに…
あたしの身長は小5の時から伸びてないけど…
つかクラスで一番チビだけど…
宙音に言われるとムカつく!