リフレイン〜2nd Season〜
しばらくして、総理が1係SP達に囲まれながら会場に入ってきた。
ガヤガヤと騒がしくなる会場内。
『不審人物がいたらすぐに知らせるように』
無線機に声が届いた。
「了解」
あたしはマイクに返答した。
総理は回りにいる人達に笑顔で手を振りながら、用意してあった椅子に腰掛けた。
『皆さん、今日は竜崎総理大臣による講演会にお越し頂き、誠にありがとうございます。司会を務めさせて頂きます、秘書の上原です』
司会者が挨拶を進めていく。
不審人物とかいなきゃいいけど…でも都知事の時はいたんだよね。
あたしは脇目も振らず、神経を集中させた。
『二宮、応答しろ』
無線機に緒方さんの声が入ってきた。
「はい、二宮です」
『第一区画後方に要注意者一名が見られる。赤いパーカーの男だ。気を付けてくれ』
「了解」
無線を切り、再び辺りを見回す。
赤いパーカーの男、赤いパーカーの男…。
あたしは必死にその人物を探した。