リフレイン〜2nd Season〜

しばらくして、総理が1係SP達に囲まれながら会場に入ってきた。



ガヤガヤと騒がしくなる会場内。



『不審人物がいたらすぐに知らせるように』




無線機に声が届いた。




「了解」




あたしはマイクに返答した。




総理は回りにいる人達に笑顔で手を振りながら、用意してあった椅子に腰掛けた。




『皆さん、今日は竜崎総理大臣による講演会にお越し頂き、誠にありがとうございます。司会を務めさせて頂きます、秘書の上原です』




司会者が挨拶を進めていく。




不審人物とかいなきゃいいけど…でも都知事の時はいたんだよね。



あたしは脇目も振らず、神経を集中させた。




『二宮、応答しろ』




無線機に緒方さんの声が入ってきた。




「はい、二宮です」




『第一区画後方に要注意者一名が見られる。赤いパーカーの男だ。気を付けてくれ』




「了解」




無線を切り、再び辺りを見回す。



赤いパーカーの男、赤いパーカーの男…。




あたしは必死にその人物を探した。




< 134 / 271 >

この作品をシェア

pagetop