リフレイン〜2nd Season〜

赤いパーカー…




―――いた!




あたしの視界に映った1人の男。



アイツ…見るからに怪しい。
何するつもりなんだろ…?




帽子で顔を隠してるし、
何よりもかなり挙動不審。




今にもマルタイに危害を加えそうだし。




『それではこれからお待ちかねの総理にお話をして頂きましょう』



ワァァ…と会場中がざわつく。




総理は愛想を振り撒きながら、壇上に上がった。




『皆さん、こんにちは。竜崎でございます。今日は――』




総理は講演を始めた。
なんかまた人数が増えた気がする…。




これじゃあ、ちょっと目が行き届かな…――!!




ふと見ると、先程の赤いパーカーの男が総理を凄い目付きで睨み付けている。




「二宮です。マルタイに危害を加える可能性がある場合、要注意者を拘束します」




あたしは無線機のマイクに向かって喋った。




そしてまた要注意者に目を向ける。




相変わらず、総理を睨み付けている赤いパーカーの男…。




総理大臣だもん。
恨みを買われるようなことをしていても、決してめずらしいことではない。




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