リフレイン〜2nd Season〜

「潤?」




潤は放心状態。
まぁそうだよね…




朱里がいること言ってなかったしな。




「水樹……」




「話は全部聞いてるよ。分かってる。あたしはこれくらいのことで怒ったりしないよ。それに潤は、隠れてやましいことするような人じゃない」




あたしは潤を見て、微笑んだ。




「わりぃ…水樹…後でちゃんと話すから」




潤はあたしに申し訳なさそうに視線を送る。




「――申し訳ない、遅れたね」




緒方さんが急ぎ足で、オフィスに入ってきた。




「いえ、とんでもないです」




「じゃあちょっと奥まで来てもらおうか。こちらへ」




潤は緒方さんに促され、奥の部屋に入っていった。




「……水樹。」




後ろから声を掛けられ、振り返った。




「朱里!どこ行ってたの?」




すると朱里は真顔で言った。




「ちょっと話があるの。一緒に来てくれる?」




あたしはそんな朱里に何も言えなかった。




「……うん。分かった」




あたしは朱里の後を続くようにオフィスを出た。








――そして連れてこられた場所は屋上。




久しぶりだな…
ここに来るのは。




あたしは空を仰いだ。




すると朱里がゆっくり、あたしを見た。




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