リフレイン〜2nd Season〜
「じゃあ行きましょうか。そろそろ例のワガママお嬢様のお世話の時間だわ」
朱里は背伸びをした。
「うん!行こっか♪」
あたし達はお互い和解し合い、屋上を出た。
――総理官邸。
「あ〜〜!もう!暇っ!」
隣からは気まぐれなお嬢様の声。
あたしと健太は検索と消毒を終え、朱里達と交代し、また留架さんの警護についている。
「ねぇ、外出許可はまだ取れないの?そろそろ限界なんだけど」
留架さんは不満気に愚痴を溢す。
「ん〜…まだ無理っすかねぇ…」
健太は困ったように顔を歪ませた。
「なによ!だいたい、こんなのお父様の都合でしょう!?なんであたしが狙われるのよ!あたしだって好きであの人の娘に生まれてきたんじゃないわよ!」
留架さんは感情的になり、嘆いた。
「……留架さん、それは…」
あたしは咄嗟にフォローしようとする。
「…申し訳なかったわね。あんた達だって単に仕事でここにいるだけなのに。こんなこと言われても困るだけよね」
留架さんは力無く笑った。
「……ご家庭の事情については、あまり突っ込めないんですけど…あたし達はただ“仕事だから仕方なく”という理由だけであなたをお守りしているわけじゃありません」
「え…?」
留架さんは驚いたようにこちらを見た。
あたしはニコッと笑う。
「あたし達は…純粋にあなたを…留架さんをお守りしたい。それだけを胸にここにいます。それに、警護に一番必要な物は“信頼”です」