夕焼け色の再会

「いや、夏からずっと長谷川さんがいないことを結衣がびーびー言ってたから、まさかこんなところで見つけるなんて俺も驚いてさ。すぐに結衣に教えないとって思ったらあんな感じの言い方になったんだ。
まあその後も、長谷川さんが俺を見て怯えてるみたいだからちょっと意地悪なこと言ってみたくなって。ごめんね」

「性格わるっ」


あまり心のこもっていない羽島くんの言葉に、結衣が心底嫌そうな顔をする。


でも本当によかったと思う。

結衣以外にこのパーティーに来ていたのが、彼で。


「総司に教えてもらって亜美を探しに行ったら、あの目のチカチカする二人に絡まれてるし。亜美が言い返さないもんだから、ついあたしが出しゃばっちゃって」

「ううん。私、世間知らずであの二人のことも分からなかったし、後ろ暗いことが多くて言い返すなんてできなかった。だから結衣、本当にありがとう。
羽島くんもありがとう。結衣と私を引き合わせてくれて」



必然のような偶然で、運命のような宿命で。


もう、生きる道が交わることがなかった私たちが、再び出会えたこと。


この時間をつくり出してくれたすべてに、心からの感謝を捧げた。


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