夕焼け色の再会
目を開けても、奇跡は起こらない。
大きな墓石がそびえているだけ。
わかっている。
私のただひとつの望みが、決して叶うことがないことくらい。
わかりきっていても、落胆は隠せない。
自分の心は騙せない。
今の私はもう、あの頃のようにうまく強がることさえできないのだ。
私はとても強いからと、錯覚しつづけることも。
唐突に、母に会いたくなった。
東京から帰ったら、母のところにも行こう。
そして、その気配に優しく抱きしめられながら、この気持ちを吐きだしてしまいたい。
そう思った。