夕焼け色の再会
時計が無いため正確な時間はわからなかったけれど、小一時間ほどここで過ごしたように思う。
そろそろ、とガーデンチェアから腰を上げようとしたところで、誰かが温室に入ってきた。
はっとしてそちらを見ると、それは叔父だった。
勝手に入り込んだことによる気まずさと、隠れるようにここにいたのに見つけられてしまったばつの悪さから、思わず目を逸らす。
そんな私を見て、叔父は吹き出すように笑った。
「そういうところを見ると、年相応なんだけどね」
たぶん今まで見せなかっただろう子どもっぽい姿を見られ笑われたことが恥ずかしくて、無表情を取り繕ったけれど遅すぎた。
「いいよ。そんなきみも、全部見たいんだ」
私が叔父にすべてをさらけ出す日は来るのだろうか。
どこまで見せれば、それが『すべて』になるのか、私にはわからない。