夕焼け色の再会
じっと私の瞳を見つめる叔父を、私も黙って見つめ返していたのは、目を逸らす理由がなかったからではない。
叔父は小さなため息のような、それとも小さく笑っただけなのか、そんな風に息を吐いてから口を開いた。
「きみは、自分の名前の由来を知っているかな」
亜美というこの名前の由来、少し考えてから首を横に振った。
両親には訊いたこともなかったし、訊こうと思ったこともなかった。
私は幼い頃に児童養護施設で過ごしていたから、自分は両親に必要とされないからここにいるのだと思っていた。
そんな私の名前を考えて付けてくれたわけではないかもしれないから。
名前は生まれてから初めての贈り物だというけれど、そう思えたことが残念ながら今までに一度もなかった。
「amie」
「アミ?」
「a、m、i、eでamie、フランス語だよ」
それを聞いてから、そういえば母は大学でフランス語を専攻していたことを思い出した。
両親は二人ともあまり自分の過去を話してはくれなかったから、あれは母が過去を語った貴重な瞬間だったのかもしれない。