夕焼け色の再会
その言葉の意味は、と叔父が先ほどの悲しげな表情は嘘だったかのように柔らかく微笑んだ。
父はこんなに柔和な表情はしなかったから、その顔は父とあまり似ていないように思う。
無愛想な私の父は、せいぜい眉間のしわがとれて、少し目を細めて口元を緩めるだけだった。
でも私はその表情が、というよりそんな表情しかできない父が好きだった。
「意味は、友達、だよ」
友達、と私はその言葉を繰り返す。
「きみに“友達がたくさんできますように”って美波さんが付けたんだ」
初めて知った、自分の名前の由来。
そこにもまた、両親からの愛が込められていたなんて。
もっと早く訊いていればよかった。
両親がいるうちに訊いてみることができていたなら、なにかが少しでも変わっていたかもしれない。
少しの変化が大きな力を生むことを、私は知っていたのに。
「兄さんたちの17年前の願いを、やっときみに届けることができた」
私の名に託された、未来への祈りと願い。
気づけば私は両親を呼びながら泣きじゃくっていた。