夕焼け色の再会
自分には幸せになる資格がないだとか、幸せが似合わないなどと言ったら、恰好つけすぎだろうか。
けれど、そんな陳腐な台詞だって吐けそうなほど、私はいつでも自虐的に物事を考える癖がついていた。
綺麗な思い出は、時として残酷だ。
あるいは残酷なのは、すべての過去かもしれない。
それがどんなにつらく痛々しいものであって、どれほど鮮明に思い出すことができても、決して書き変えることができないのだから。
「ひとつずつ、取り戻していこう」
私はそんな言葉を信じられるほど強くはなく、けれど疑うほど愚かでもないことを、いったいどう証明すればいい?
「置いてきたものがあるならまた取りに行けばいい。きみが取り戻したいと思ったなら、そこからもう一度はじまるんだ。いつだって間に合うよ」
もう手遅れだと言おうとしたことを、叔父は見抜いた上で先回りするように言った。
綺麗事を並べた詩のような言葉を、笑い飛ばすことなどできなかった。
自分の心がなにを叫んでいるのか。
わからないふりをするのにも疲れていた。