夕焼け色の再会
機械越しに聞こえてきた声は、思っていたほど父とは似ていなかった。
けれど、低く少し甘いその声は、私の気持ちを落ち着けるには十分だった。
叔父はまるで私が電話をかけるのがわかっていたかのようだった。
気まずさに口ごもる私を和ませるように冗談を言う叔父のようなユーモアは、父にはなかった。
私は父親という存在がもたらしてくれる安心感を求めていて、叔父に父を重ねていたし、叔父もそれを望んでいるようだった。
けれどこうして父と叔父の違いを見つけて、ふたりは違う人間なのだとちゃんとわかっているから、私も新たな自分の存在をつくろうとしている。
それから私と叔父は、たまに連絡を取り合うようになった。
叔父は叔父で、高橋の祖父母とも連絡をとっているらしかった。
祖母はともかく、どうやって祖父の態度を軟化させたのかはわからないけれど、よかったと思う。
私にとってはどちらも、血の繋がった肉親になるのだから。