夕焼け色の再会
「そのワンピース、よく似合うわ」
そう言ってくれたのは叔母だった。
「でもそれを着るなら、私の持っているネックレスの方が合うと思うわ。持ってくるから、少し待っていてね」
早足で出て行った叔母の背中を見送りながら、照れを隠すように遠慮がちに叔父を見上げた。
まだ、気恥かしさは無くならなかった。
「すごく綺麗だ。それに、そうしているとますます美波さんに似て見える。生き写しみたいだ、本当に。
その気品は美波さん譲りだろうね。兄さんはそういう繊細さは持ち合わせてなかったから」
母の名を出されて表情が陰った私を気遣ってか、父についてからかうような口調で付け足していた。
母のことを知っている人からは、まず初対面で外見が似ていると言われていた。
まだバスケをやっていた頃、中等部までは髪がとても短かったし、顔つきも今より幼かったと思うけれど、それでもよく言われた。
見た目は母だけれど、中身、特にバスケに関しては父譲りの才能だと。